株式市場を賑わす粉飾決算はなぜ犯罪(詐欺)行為なの?
2015年、株式市場をにぎわしたマイナスイメージな事件といえば東芝の不正会計事件になると思います。
株式投資歴が長い方には当たり前のことですが、この東芝の件は簡単にいえば、不正会計、不正会計とマスコミは言いますが、単なる粉飾決算ではないか、投資歴の長い方は誰でも思うことだと思います。
日本の粉飾決算の有名事件
日本の粉飾決算で日本中を熱狂させた事件といえばライブドアの堀江氏による粉飾決算ですよね。
あの当時はみなさんが、テレビに釘付けになってその事件の動向を眺めていたものだと思います。
「おもしろいから、やっちゃおーよ」というノリだったのかどうか知る由もありませんが、堀江さんの一言によって粉飾決算のスタートになったわけですが、そもそもなぜ、粉飾決算というのは犯罪であり、詐欺なのでしょうか?
株式市場の意味
株式市場というのは、その証券取引所に上場された上場会社が広く内外に渡り広く資本を集める市場のことを株式市場といいます。
この意味は、上場会社は私を含めた投資家に対して「お金を貸してください」とお願いしているのと簡単にいえば一緒のことです。
このことは個人間の金銭の貸し借りでは友人にお金を貸してください、という場合、あなたが貸主の場合は「どのような目的で」「いつ返済してくれるのか」ということが一番の問題になると思います。
この粉飾決算では、住宅ローンをあなたが銀行融資をしてもらう際にその資産の価値やあなたの年収を偽るのと一緒のことです。
この資産や年収によって銀行は融資可能額を決定するのですからこれを偽れば詐欺ですよね。上場会社の場合は粉飾決算というのです。
つまり利益をかさ上げして実際にはありもしない資産によってより多くの投資家から多くのお金を集めようとしたら一般的にはこれを詐欺といいます。
個人間の貸し借りにおいても目的や返済期日を守ってくれないような人にはお金を貸すことはないと思うように人からお金を借りるときには特にウソなどついてはいけないのは常識ですよね。
ですから上場会社は、投資家にお金を借りる際にはウソをついてはいけないということになります。
東芝社長の退任会見
要するに不正会計操作によって退任を余議なくされた社長の会見で彼は何といったのか、といえば、
「私を支えるために力をお貸しくださった皆様に感謝を申し上げたい」
と言ったのです。
この人は自分が何をやったのかを全く理解していないと思いました。
そもそもあなたは不正会計という粉飾決算、つまり詐欺事件を起こした当時者であることを全く理解していないのであろうと思いました。
この会見を聞いた彼に力添えをした関係者はいい迷惑と感じているはずです。
なぜなら、彼は犯罪者なのですから。
犯罪者に手を貸したのですからその詐欺の幇助をしたことになります。彼にそんなことを言われても、力添えをしたことを恥じであることと感じているのがまともな感覚であろうと思います。
粉飾決算の当時者でもその罪の意識ですから、日本の社会の未熟さを物語る事件だったと思います。
上場会社は公益性の高い事業と認識するべき
株式市場に上場している会社は、みなさんからお金を借りているのですからある種の公益性の高い事業と言われる所以はそのためです。
ですから、人として、会社としておかしいことをやっている会社には絶対に投資をしないようにこの事件をきっかけに改めて決意をした次第です。