株式投資と債券投資。インカムゲインの特徴
株式と債券の投資対象
株式投資と債券投資は、株式が企業の純資産にあたる部分への投資であり、債券が企業の負債にあたる部分への投資となります。
純資産と負債の違いは、純資産は会社のものであり、返す必要がないものになり、負債は、返済することを必要とします。
投資する側からみると、負債への投資(債券投資)は投資資金を期日が来たら返してもらうことを条件に資金を提供します。
対して純資産への投資(株式投資)は、資金を返還しなくてもいいけれど、事業を行うことで得られる利益を投資家の取り分として分けてほしいという条件で資金を提供します。
株式投資と債券投資のインカムゲイン
インカムゲインとは、キャッシュ(現金)として利益を受け取ることを言います。
株式投資のインカムゲインは配当金となり、債券投資のインカムゲインは金利となります。
負債への投資である債券投資は、資金を貸し付けることで、その賃料とも言える利息を要求します。
株式投資の配当金は、事業の利益のうち、事業拡大に必要としない利益があった場合、その利益を配当金として支払うことを要求します。
配当金も利息も、キャッシュを受け取るという行為であるため、似たもののように感じるかもしれませんが、その性質は全然違うものです。
債券の利息は、あらかじめ決められた利息を受け取り、配当金は事業が上げた利益から受け取るものであるため、利益によって金額は変わって来ることになり、約束されていません。
また、利益のうち何割を配当金として支払うかも、約束されていないため、配当金を全く出さないということもあります。
その場合の利益は、翌期以降の事業拡大に使われることになり、事業が予定通り拡大してば、それに伴い利益が増加していくことも期待できます。
株式投資の配当金は利益に左右されるという性質上、予測しづらいところがあり、企業に重大な問題がなければ、ほぼ確実に利息を得られる債券投資に比べるとリスクが高いと言えます。
配当金狙いの株式投資は向いていない?
普通に考えれば、ほぼ確実な利息が期待できる債券投資の方がインカムゲインを狙った投資をするには向いていると言えますが、株式投資には、株式投資ならではの利点もあります。
それは、事業が拡大していくことで、利益が増加していき、配当金の増額(増配)が期待できることです。
つまり、債券投資では、利息の再投資をせず、ずっと同じ元本で投資をしているとすると、金利にもよりますが、投資している期間は常に一定の利息を受け取り続けることになります。
ですが、株式投資の場合、一度投資して、そのままずっと保有していれば、その保有している間に、受け取る配当金もどんどん増えていく可能性があります。
例えば、年配当利回りが3%の株式へ100万円投資をした場合、最初は年3万円の配当金を受け取ることになりますが、その後の業績もよく、利益も増加していき、株価も上昇。最初の100万円が200万円になりました。
ですが年配当利回りは今までと同じ3%出ていたので、今では、年6万円の配当金を受け取っているということになる可能性があるということです。
これが、株式投資が債券投資と違う、インカムゲインの大きな特徴と言えます。