ETF(上場投資信託)と投資コスト
日本人の6%しか知らない、ETF。
しかし、世界では今急速に普及しています。世界のETFの市場規模は、過去7年で10倍にまで膨らんでいます。
そして、世界では富裕層ほどこのETFを活用しているという話もあります。
ETF(上場投資信託)とは
上場投資信託という名前の通り、証券取引所に上場している投資信託のことをETFといいます。
投資信託とは、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が、多くの投資家からお金を集め運用している金融商品です。
その投資信託の中には、インデックスファンドと呼ばれる、市場平均と同じくなるように運用している投資信託があります。
メリットは優秀なファンドマネージャーを必要としないため、コストを低く抑えられるという点にあります。
そしてETFでは、そのインデックスファンドが使われています。
また、通常の投資信託には、銀行や証券会社など、販売している者に対する手数料もかかっていますが、ETFにはそのようなコストも抑えられているため、他の金融商品と比較してもかなり低コストな商品となっています。
資産運用とコスト
世間には「安かろう、悪かろう」という言葉がありますが、金融商品に関しては言えば、それは当てはまりません。
とにかく少しでもコストを低くすることは資産を築くうえで非常に重要なポイントになります。
さらにいえば、高い手数料を支払ったからと言って、運用成績が良くなるということはないということです。
効率的市場仮説
投資信託には、インデックスファンドの他にアクティブファンドと呼ばれるプロのファンドマネージャーが市場平均以上の運用成績を求めて運用している投資信託があります。
ですが、そのアクティブファンドの7割以上がインデックスファンドに負けています。
最大の理由は、アクティブファンドの運用コストを賄えるだけの運用成績を上げられていないことです。
そのため、コストの低いインデックスファンドに勝つことが難しくなっています。
株式や債券投資などの世界には、効率的市場仮説と呼ばれるものがあります。
市場を出し抜こうとしても、市場はすべての情報を織り込んで動いているため、市場より先に情報を得て勝とうとすることはできない。
だから市場平均をマークするように運用することが一番だという考え方です。
インデックスファンドやETFはまさにその考えに沿った金融商品です。
その中でも、ETFは特に運用コストが低いため長期的な運用利回りは一番よくなる可能性があります。
ETF(上場投資信託)と信託報酬手数料
長期投資をする上で重要なコストが、保有コストです。
保有コストとは、保有していることでかかるコストのことで、ETFや投資信託では、信託報酬手数料がそれにあたります。
この信託報酬手数料とは、保有している間ずっとかかってくるコストです。
買付手数料のように購入するときに直接に引かれているものではないので、ある意味目に見えていないコストなのですが、投資した資産の中からじわじわと、毎年何%という手数料が差し引かれています。
投資信託の買付手数料は、ある程度注目されるようになってきたのか、最近はノーロードという買付手数料が0%の投資信託の取り扱いが増えてきました。
ですが、長期投資をする上で重要なのは、買付手数料よりも保有コストである信託報酬手数料です。
年1%の信託報酬手数料がかかるということは、その資産が本来生み出すはずの利回りが1%減少するということです。
買付手数料が2%かかったとしても、10年単位の長期投資になれば、気になる数字ではなくなるはずです。
ETFは買付時に株式と同じく売買手数料がかかります。
ですが、一般的な投資信託に比べ保有コストである信託報酬手数料が低くなっています。
その点が長期保有の投資家にとっての魅力となっているようです。