株で儲けるのは特別な人?ゼロサムゲームとプラスサムゲーム
株式投資をして儲かった話を聞いて、その人は特別な人だから儲かったのだろうと思う人がいるかもしれません。
また、儲かった人も、自分が特別な人間だと勘違いしている人もいるかもしれません。
本当にそうなのでしょうか?
ゼロサムゲームとプラスサムゲーム
じゃんけんをして勝ちと負けを決めるように、勝つ人と負ける人の間で損益を取り合うようなゲームをゼロサムゲームといいます。
ゼロサムとは、勝った人と負けた人の取り分を合計すると0になることからゼロサムといいます。
対して、プラスサムゲームとは、ゲームに参加した人全員の損益を合計するとプラスになるゲームをいいます。
当然、ゼロサムゲームを避け、プラスサムゲームに参加するようにすれば、利益を得る可能性は高くなります。
株式市場はプラスサムゲーム
株式投資は一般的にはゼロサムゲームと言われますが、相場上昇時にはプラスサムゲームになります。
それは、株式相場が上昇している間は、市場に参加している人みんなが儲かるからです。
確かにそれは、間違いありません。
そして株式市場は、企業に投資をするという性質上、企業が利益を求めて事業を行っていく限り、株価は上昇していくはずです。
つまり株式投資の本質はプラスサムゲームになるはずなのです。
ですが、たまに儲かった人の話を聞くこともありますが、それ以上に負けた人の話を聞くことが多いように感じます。
プラスサムゲームのはずなのに、なぜか多くの人が損をしています。
米国の株式市場と日本の株式市場
今まで、株式市場はプラスサムゲームだと言ってきました。
ただし、米国と日本とでは状況が違います。
結論から言うと、日本の株式市場は今までのところプラスサムゲームであるどころか、マイナスサムゲームになっています。(マイナスサムゲームとは、市場参加者全員の損益を合計するとマイナスになるということ)なので、日本株だけに投資をしてきた人たちは、損をしている人の方が多いはずです。
数十年単位の超長期のチャートを見てもらうとよくわかると思いますが、米国(NYダウ)のチャートは上下の動きはありますが、きれいに右肩上がりになっています。
対して日本(日経平均)はバブル期を頂点に、右肩下がりになっています。
つまり、米国の株式市場は確かにプラスサムゲームになっているが、日本の株式市場は、バブル崩壊後はマイナスサムゲームだったということになります。
日本企業の実態
株式市場は、企業が利益を求めて事業を行っていれば、上昇していくはずだといいましたが、日本の企業は、この利益を求めて事業を行うということができていなかったといわれています。
今までも日本企業の経営効率の悪さや、企業統治の遅れなど、さんざん指摘されてきましたが、最近はこの傾向に改善が見られます。
日本の企業も無駄を減らし、経営効率を上げてきつつあります。
実際に、それがROEやPERの指標に表れてきています。
またアベノミクス以降、社外取締役の配置など企業統治も進んできました。
これからは、日本の株式市場も株式投資本来を姿を取り戻し、プラスサムゲームになってくるのかもしれません。