目指せウォーレンバフェット。長期投資の考え方
長期投資の考え方
長期にわたり見込みのある企業の株を買い、その企業の成長とともに資産を増やしていくのが長期投資です。当然のように名前しか知らない株に長期にわたり資金を投資することはありえませんね。
その企業の財務内容や事業内容、取扱商品に経営者の資質まで様々な分析要因があります。
1. 財務内容
これはもう基本中の基本ですが、決算の数字はその企業の成績簿です。
まず貸借対照表(B/S)から見てみましょう。どういった相手に売掛金があり、どこから借金をして、どのような企業に投資をし、自己資本がどの程度あるか、そういった数字が全て現れています。
株式を上場している企業で債務超過(資産より負債の方が多い)というのはまずありえませんが、そうでなくても「財務体質のいい(悪い)」会社は明確にわかります。
次に損益計算書(P/L)は、年間の取引内容の合計が記されています。
売上や支払った原価や経費(人件費や金利など)など、どうやってその企業が利益を出しているかが現れています。
初心者ではそれらの数字を見てもピンと来ないことが多いと思いますが、これらはどんなに小さな会社でも作成するものなので、自分の勤めている会社の状態を理解するためにも勉強しておいたほうがいいかもしれません。
2. 事業内容
企業の有価証券報告書やホームページなどを見れば、その企業がどんな事業を行っているのかわかります。
ここで大事なのは、本業だけでなく子会社などを通じて違う業種の業務も行っている会社が多いということです。
例としてソニーを挙げると、ゲーム、金融、音楽、映画、モバイルなど様々な子会社を保有し、本業よりも子会社の業績が連結決算での影響が大きくなっています。
つまりいくら家電が売れようが、ソニー損保の売上のほうが株価には影響が大きいということになってしまいます。こういった会社は少なくないので、ぜひチェックしておいて欲しいところです。
3. 取り扱い商品
まれに大ヒット商品を産み出し、業績が急激に成長する企業がありますが、どのような商品を扱っているかは企業を分析するうえで大事なところです。
もちろん日本経済は成熟しきっているので、どこかがヒット商品を生み出すと、同業者もこぞって乗り出してくるので、優位な期間は驚く程短くなっています。
また、大企業になるほどひとつの商品への依存度は低くなっていくので、一つ一つの商品を見るよりは、事業のポートフォリオを分析するのが大事です。
4. 経営者の資質
これは直接社長に会うわけにもいかないので、判断しようがないですが、経営者によって企業の業績は大きく左右されます。
優秀な技術者であった人が社長になった途端、経営の資質がなく業績がブレだしたり、人事や経理など営業の前面に出ていなかった人が社長になり、経営が引き締まり業績が上向くケースもあります。
社内からの登用では判断しにくいですが、外部から招かれた社長の場合は前の会社でどのような経営をしてきたかがひとつの判断ポイントとなるでしょう。
イメージだけで投資をしてはいけない
上記の分析はあたりまえに行われるものです。
それだけでなくプレスリリースや新聞記事など企業の情報を得る方法はいろいろあります。
ネット上の掲示板などを見てもいいですが、思い込みや間違った情報も多いのでほどほどにしましょう。
またテレビCMだけを見て、「イメージがいいから」という曖昧な印象だけで投資するのはもってのほかです。
まあ、いいCMを流せば売上にいくらか貢献するでしょうから、全くのハズレというわけでもないですが。
世界的に有名な投資家であるウォーレンバフェットは「事業内容の理解できない株には投資しない」そうです。
なのでIT系の企業への投資は行わず、マクドナルドやコカ・コーラなど昔からある単純明快な企業への投資だけで財をなしてきたのです。