機関投資家の3つの弱点
トレードの戦略を考えるうえで、株式市場を構成する大きなプレーヤーである機関投資家の特徴について知っておく事は重要なので、まとめておきたいと思います。
株式市場で一般の個人投資家と機関投資家が直接出くわしたとすれば、それは機関投資家の勝ちとなるでしょう。
彼らは、会社の全力をかけて、各銘柄の情報をいち早く手に入れるために、莫大な投資をしています。
情報入手のスピード、売買スピード、何よりそこそこ大きな銘柄の株価を容易く動かすほどの資金力があります。
では、個人投資家には、勝ち目は全くないのでしょうか?
そんな事はありません。全ての物事には、メリットとデメリットがあります。
機関投資家の大きな弱点は、3つほどあります。
いったん手仕舞う必要がある
1つは、他人からお金を預かっているので、半年か1年の間に全株を手仕舞って、損益を明らかにしなければなりません。
これは、本当に辛いことで、ほとんど致命的な欠点と言っても良いくらいです。
個人投資家は、もちろん自分のお金ですから、手仕舞う必要はありません。
これは、株価が下がっている時はもちろんですが、株価が上がっている時も重要です。
株価がどんなに上がっても、売買して利益確定をしない限り、税金を払う必要はありません。
この本当のメリットがわかるのは、投資金額が大きくなってからです。
お金は、本当に必要な時だけあればよいので、その時だけ株式を売却し、利益を確定すれば良いのです。
利益確定していないものには、課税はできません。
税金は、売却益の2割にあたり、利益確定が後になればなるほど、全体には、複利で効いてきますから、この差は信じられないくらい大きくなります。
巷に多くの脱税をする大金持ちが多いですが、この人々こそが、株式投資をしていれば良かったのにといつも思います。
常識的な銘柄しか買えない
2つめは、機関投資家は、駄目だとわかっていても、常識的な銘柄しか買えません。
ここでいう常識的な銘柄とは、日経平均に選定されているような銘柄、またはそれに準ずる銘柄になります。
機関投資家は、いつもその能力を評価されています。神様や天才ではないので、誤りもたくさんあります。
特に失敗した時に、常識的な銘柄を選んで失敗した場合には、あまりディーラーとしての評価は下がりません。
しかし、非常識な銘柄を選んで失敗した時は、評価が極端に下がります。
時によっては、職を失うこともあります。
たとえ確信があって買って成功しても、あまりプラスの評価はありません。
そんな中で運悪く失敗例が出て、職を失うような危険を冒すでしょうか?
所詮、自分のお金ではないのです、自らの職をかける価値はありません。
損失は会社が負うのですから。
投資資金を使い切る必要がある
3つめの弱点とは、規模が大きいために、中小の会社の株式では、投資資金を使い切れないことです。
上記に関連しますが少し意味合いが違ってきます。
機関投資家は、数百億円の資金を運用しなければならないケースもあります。
小さい会社の株ではまかない切れず、大手の優良企業の株式を購入せざるをえません。
まとめ
個人投資家がすべき行動として、上記を踏まえることでヒントになることもあるかと思います。
機関投資家と正面からぶつかり合うのではなく、うまく利用してトレードを行う必要がありますね。