日本銀行黒田総裁と株価の行方
最近、日本銀行総裁の黒田さんに生気がないように思えます。
こう感じている方は多いと思うのですが、もしそういうことに気づいていない方は自分のことで精いっぱいで周囲が見えていないような気がします。
気づいたきっかけ
これは新春に総理のインタビューがあるように、日本銀行総裁にもインタビューは当然行われます。それが国営放送のNHKであれば当人もかなり緊張した面持ちで話すと思ったら女子アナウンサーにデレデレ仕切りのことこの上ないという感じでした。
しかもお屠蘇の所為か少々顔も赤らんでいらっしゃいました。
何という緊張感のなさということに呆れたのですが、黒田総裁就任時に啖呵を切ったことを思い出せば、たぶん、辞任をもう念頭に置いているのであろうと思ったのがその時の感想です。
その時はデフレ脱却のためにあらゆる手段を使うと言っていましたが女子アナのデレデレ姿と赤ら顔を見た後では信用性ゼロになると思わないのであろうか、と思います。
就任時の会見
就任時か異次元緩和を実施したときの会見なのかは記憶はありませんが、「このデフレを退治できないとき職を辞する覚悟」「職を賭してこの緩和を成功させたい」という勇猛果敢なことを言っていました。
総裁自身の目標としては2年ということでしたので実施したのが13年で現在は2015年度末です。
3月10日に発表された日本銀行の企業物価をみると完全にデフレに逆戻りの状態です。
この言葉を信用するといつ日本銀行総裁の職を辞してもおかしくない状態になります。
異次元緩和効果
異次元緩和というのは市中の銀行に資金を大量に流しこみそれで融資残高を増やして景気を浮揚させようということになります。
もちろん、この緩和を受けて株価は上昇したことは言うまではありません。
しかし、黒田さんがお辞めになったらこの株価はどうなるのでしょうか?
奇しくもアベノミクスも?
最近、アメリカの著名な経済学者を呼んで消費税増税の延期をどするか否かの意見集約を行っています。
これは単に口実がないとこの消費税増税を回避できないことから言い訳として著名な経済学者から話を聞いている「振り」であって、伊勢志摩サミット後にはおそらく撤回して総選挙、そしてダブル選挙なのでしょう。
ですから消費税増税回避は規定路線になると思います。
マイナス金利はデフレを加速させる
黒田さんは、マイナス金利をデフレ脱却の手段として導入しましたが、どの経済理論をみてもどう考えてもデフレ状態が酷くなるのは当たり前の話です。
これは、上海合意によってドル安にすることがあのときは規定路線ですのでその援護射撃を行ったにのにすぎないということになります。
追加緩和はあるのか?
追加緩和がよく取りざたされますが、そんなものはあり得るわけがないと個人的には思います。
2014年10月の追加緩和発表時に黒田さんは「原油安によって消費者物価が下押しされているので、原油価格が秋には上昇に入ると思われるのでその補足として追加緩和を行う」と明言をしています。現在の原油価格はご存じのように低迷しています。
今は上昇していますが長期的には下げ傾向ということは誰の目にも明らかであって追加緩和の前提条件が間違いであったのですからさらに追加緩和というのは論理的におかしいのです。
たとえていうのであれば、損をしている株にさらに追加買いを行うというナンピン買いの発想です。これは非常に危険な行為を黒田さんが行うわけがないと思います。
結局は
八方ふさがりの状態で、追加の量的緩和を行うにしても総裁のクビをすげ変えなければ行えない状態ですし、アベノミクスの最大の目的は財政再建でその目玉である消費税増税を断念するとなるともう失敗と言わずして何というのでしょうか。
今後の日銀の動向には注目をしたいものです。