Last update :

ランダムウォーカー的投資戦略

ランダムウォーカー的投資戦略

株式投資というと、銘柄の選択とか売買のタイミングなどが注目されるかと思いますが、意外と重要なのは、そういった銘柄選択やタイミングよりも投資戦略になります。

投資戦略がなぜ重要なのか?

銘柄選択やタイミングも重要なことだと思います。
ですが、数学的に銘柄選択や売買のタイミングの有効性について疑問を投げかけている説があります。
それは、「効率的市場仮説」と呼ばれているものの存在が影響していて、中でもプリンストン大学名誉教授であるバートン・マルキール氏の「ウォール街のランダムウォーカー」という本が有名です。

つまり、銘柄選択や売買タイミングにエネルギーをつかってもどうせ市場平均に勝つことはできないのだから、インデックス投資をせよ。
というのが効率的市場仮説論者の考え方です。

ランダムウォークというのは、株価の値動きは短期であれ長期であれ誰にも予想が出来ない、サイコロを振って偶数が出るか奇数が出るかを予想しているのと変わらないということです。
つまり、株価が上がるも下がるも常に1/2の確率ですよということです。

具体的に言えば、1億円儲かったという投資家がいるとします。
日経平均が15,000円のときに株を買って、日経平均が10,000円のときに1億円儲かったという話であれば、その人はすごい投資家です。
ただ、その逆で日経平均が10,000円のときに株を買って、日経平均が15,000円のときに1億円儲かったというのであれば、ほとんどの株が上がってるんだから資金さえあればそれは誰でも儲かったでしょという話です。
1投資家が市場原理を動かせるはずがありませんから、市場平均にはあらがいようがありません。

市場平均が10%しか上がってないのに、わたしは30%儲かったという声もあると思います。
だって成長しそうな会社だったしPERやPBRの数字も良いし、無借金だし。など。
それはたまたまかもしれませんよ。
あなたの胸に手を当てて自分に聞いてみてください。あなたに会社の将来を予測できるほどの能力が本当にありますかと。

主に株式投資の銘柄選択で世界最大級の資産を築いた、米国の投資会社バークシャー・ハサウェイのCEOウォーレン・バフェットもインデックス投資を推奨しています。

人の先回りをするのではなく、後からついていく

多くの投資家は、「市場を出し抜こう」「人よりもたくさん儲けよう」といった気持ちで取り組むことを目的としているのではないかと思います。
そのため、人より先回りして、良い銘柄を探したり、買ったり、売ったりをしようと考えます。

効率的市場仮説では、そのような人を先回りして、良い銘柄を選んだり、タイミングを計ったりということはできないと考えられています。

ここでの戦略とは、人の先回りすることではなく、市場の予測は不可能なものだということ前提に考えた戦略という意味を込めています。

予測しない戦略とはどういうことかというと、市場の動きに合わせた戦略です。
つまり相場がこっちに動いたから、自分はこうやって動く。あっちに動いたから、こうする。といった後出しじゃんけんのように行動できる戦略を考えようということです。

株式投資の戦略とは

インデックス投資のバイアンドホールド(買ったら売らずにずっと保有すること)だと、市場平均には負けることはないですが、市場平均じたいの損益がマイナスになってしまっては、あまり意味がありません。

できることならば、損益がマイナスにならないようにしたいものです。
その確率を上げるために、ただのインデックス投資ではなく、投資戦略を加えて投資をすることを考えます。

投資とは、「安く買って、高く売る」もしくは「安値で買って保有し果実を得る」を目指すことにあります。
つまり、この「安く買って、高く売る」「安値で買う」という方法をある程度システム的に実行する方法を考えることが、株式投資の戦略となります。

例えば、一番有名な方法はドルコスト平均法です。
毎月一定額づつ積み立てるという簡単な方法です。相場の動きに左右されず、常に一定額づつ購入できるため、暴落時など思わぬ安値でも自動的に購入することができます。

他にも、株式だけでなく債券等への投資も加えリバランスを繰り返すこととか、年に1,2度訪れる急落時にだけ購入する、一定のリターンを最初に設定して目標を下回ったら購入し上回ったら売却、などいろんな戦略が考えられます。

関連コンテンツ
この記事を書いた人
編集部
編集部
スイングトレードの達人は、投資家にとって役に立つ株式に関する情報をお届けしています。
以下のページも合わせてどうぞ