株の勝ち組と負け組の分かれ道
初心者でも二人に一人は勝ってしまう
株式相場は偶然性の強いものなので、ほとんどの人が「狙った通りに動いた」なんてことはまずないはずです。
運良く買った株が値上がりして「やっぱり上がると思ったんだよなあ」と自慢げに語るあなた、ちょっと待ってください。
株を始めた初心者が100人いたとします。
市場全体の水準が大きく変わらなかった場合、個別の銘柄では上がったり下がったりしているわけですが、その場合100人のうち50人は買った株が値上がりしたりするわけです。
確率的に勝ち負けは半々ですから、勝つ確率は二分の一ですね。
で、その勝った人が再度株を買ってみて再び勝つ確率は二分の一、そんな感じで5連勝する人は32分の一。
つまり100人いれば3人程度は5連勝してしまうわけです。
確率で自動的に5連勝出来た人は単に運が良かっただけです。
にもかかわらずその頃にはいかに株で儲けたかをまわりの友人などに自慢していることでしょう。
バブルに乗れば誰でも勝てる
まあ、最初は運でも勝てれば御の字ですが、株式投資とはそんな偶然性の高いものなのだとよく理解しておいてください。
では、株式投資とはそんなに身も蓋もないものなのか、というとそういうわけでもありません。
相場にはいわゆる「バブル」と呼ばれる上昇相場が出現します。
日本では80年代の「不動産バブル」90年代の「ITバブル」2000年代前半の「IPOバブル」同じく後半の「資源・新興国バブル」そして2010年代の「アベノミクスバブル」などです。
アベノミクスをバブルと呼ぶかは人それぞれだと思いますが、ここではそう呼ぶこととします。
バブル状態に入った相場は多少の悪材料はものともせず、長い上昇局面となります。通常は1年程度から数年程度まで。
その間多くの投資家がその恩恵を受けることとなり、世の中には「にわか株長者」がゴロゴロ登場します。
当然ですよね。株式市場のほとんどの銘柄が長い上昇を続けるわけですからどこで買ってどこで売ってもまず利益になるのですから。
短期売買をするもよし、長期投資で持ち続けるもよしの幸せな相場です。
では、そんなバブルがいつまでも続くかというとそうではないのは歴史を見れば一目瞭然です。
これだけのバブルを経ても、日経平均株価が最初の不動産バブル以前の水準にいるということがそれを端的に表しています。
つまりバブルには必ず「バブル崩壊」という現象がともない、株式の大暴落とともに多くの投資家の屍を生んできたのです。
逃げ時を知ることが勝ちへの道
自分はデイトレーダーとして株を売買していた頃、トレードの技術としてはそれほどうまいほうではありませんでした。
勝率も5割もなかったくらいです。
では、何故相場に勝ったまま引退できたのかというと、逃げ時を知っていたからです。
デイトレーダー時代にあったバブルはIPOバブルと資源・新興国バブルですが、前者はホリエモンの逮捕とともに、後者はリーマンショックとともに終焉を迎えました。
バブルの崩壊はあっという間ですが、一日で全て終わるわけではありません。
もちろん頂点付近では大量の売買とともに激しい値動きが繰り広げられるんですが、その中で「相場の熱」のようなものを感じ取ることができたのです。
バブルの頂上付近では相場の熱にうかされた楽観的な人々が多少値下がりしても買いを入れてくるため、すぐには大きくは下がりません。
その中で今までと違う異変を感じ取り、利益を求めるより守りに入るのが早いのが自分のやり方でした。
おかげで上記の二つのバブル崩壊では全くの無傷で乗り越えることができ、逆に空売りで稼いだりもしていました。
要は、相場に浮かれず、浮かれている人たちを冷静に見れた、ことが勝因だったとも言えます。
バブルに乗るけど逃げるのは一番最初、これが自分のトレードのコンセプトといってもよかったかもしれません。
逃げ時の判断は難しい
もちろんこの逃げ時の判断は難しいです。
早くに逃げすぎても上昇相場の美味しい部分をかなり逃してしまう、なんてことになりかねないし、逃げ遅れると即損失が待っています。
ここではバブルとして説明しましたが、これはどんな銘柄のどんな上昇局面でも当てはまることなので、覚えておいて損はないです。
「株で一番難しいのは売り時」ですからね。