初心者用コラム

信用取引はパンドラの箱?2つの強力なメリット

パンドラの箱 信用取引

株式投資を初めて多くの人が直面するのが「資金不足」。
投資資金の大小に限らず、株式市場を知るにつれ買ってみたい銘柄は増えるばかり。かといって買い換えるには今の持ち株は含み損になっていて売りにくい。そんな時に便利な手段とばかりに使い始めるのが信用取引。
株式投資家で信用取引を知らない人はいないと思いますが、簡単に言ってしまえば持ち株(預かり金)を担保にした借金です。

よく相場の格言で「借金をして相場を張るな」というものがありますが、借金はいつか返さなければいけないものであり、そのため投資期間の長い株式投資には向かないためそのように言われていると思います。
でも、信用取引は同じ借金といえども「差金決済」により売却と同時に自動的に返済がなされる仕組みです。また期限があるので期限が来れば嫌でも強制的に決済となる。証券会社としてはとりっぱぐれが起きにくい融資形態であり、ネット証券の台頭により零細個人投資家にも門戸が大きく開かれ、広く普及するようになりました。

信用取引の2大メリットの1つ目「資金不足の解消」

信用取引を使うことで得られる効果は、自分の資金の3倍近くまで株式が買えることです。
自分も信用取引を初めて使ったときは、得られる利益の多さにより相場に夢中になりました。議決権こそないものの、決算期ごとの配当も受け取れるし、かかるコストはわずかな金利のみ。
資金に余裕のない個人投資家には非常に便利な取引です。

ただし、リスクも大きい。
自己資金より多くの株を買えるということは損失もその分大きくなります。
極端な例だと信用取引で自己資金の3倍の株を買ったとします。その銘柄が30%下落し損失となった場合、損失は自己資金の90%におよび、ほとんど資金がなくなってしまいます。資金が残ればまだいいほうで、さらに下落した場合は自己資金では不足し、証券会社に借金が残ることになってしまいます。

過去の大暴落相場ではそのような個人投資家は大量に発生し、追証による強制決済で更に株価が下がるなんてこともありました。
そしてとても返しきれない借金を抱えた投資家もいました。相場は何があるかわかりません。

経験が少ないとそういう怖さを知らずめいいっぱい買ってしまったりしますが、ある程度経験を積んでからでないと信用取引を始めるのはやめたほうがいいでしょう。

信用取引の2大メリットの2つ目「空売り」

信用取引のもう一つのメリットは空売りです。
値上がりを待つだけの現物取引に対し、空売りは値下がりにより利益を得られることができます。相場の状況が悪い時に自分の持ち株と同量の空売りをかけることでリスクヘッジになります。思惑に反して値上がりしたときは「現渡し」といって持ち株を差し出せばそれで終わり。割高な株を空売りして割安な株を買ったりなど信用取引を使うことで、取引の幅が出てくるのは間違いのないところです。

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