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倒産と上場廃止。株式投資の悪夢

倒産と上場廃止。株式投資の悪夢

株の価値が0になる恐怖

倒産と上場廃止は株式投資家にとって最も怖い出来事と言えるでしょう。

倒産は言うまでもなく、企業としての活動を停止することであり、その後の利益を見込めない株に一円の価値もありません。

上場廃止にはいろいろ基準がありますが、前述の倒産企業はもとより、業績や株主構成の変化、経営統合などによるものがあります。

いずれにせよこれまでのように市場でいつでも売却できなくなるというのには変わりなく、基本的には投資資金がパーになると思っておいて間違いないでしょう。

倒産と上場廃止を避けるには

基本的にこのような企業はまず先に業績悪化が表面化します。

しかもそれが一度だけでなく何度も悪化するうちに財務内容が蝕まれ、到底復活が見込めない状態となり破綻します。加えて東証のほうでも上場廃止については事前に告知を行うこととなっており、監理ポストなどがそのいい例です。

つまり持っている株がいきなり上場廃止になったりすることはありません。

そのような企業は通常株価の急落などで短期資金がこぞって売買するため、大きな商いが行われることが多く、そのため「一回買ってみて反発を狙おう」と色気を出す人が多いのです。

これは「リバウンド取り」といって、普段から株式の急落局面に買い出動する人たちがいるからです。

でもよく考えてください。
急落した株式がリバウンド(反発)するのは、業績がいたってまともだからです。

再生の見込めない株式はそんなに簡単にはリバウンドしません。
したところでそこで利益を上げるのは針の穴を通すようなものでしょう。

ましてやもうしばらくすれば上場廃止という大きなリスクが控えている。
とてもリスクとリターンの関係からメリットのある取引とは言えません。

また業績悪化企業の中には苦し紛れに「MSCB」という転換社債を発行することがあります。
詳しい説明は省きますが、これは株価の更なる急落を招く劇薬であり、株主を無視してでも資金が欲しい企業が発行するため、倒産直前の最後の毒薬ともいえます。

そんなリスクの大きい業績悪化企業は買わなければいいのです。

短期売買にある程度慣れてくると、こういう急落局面ではつい手を出したくなりますが、はっきりいってジョーカーが何枚も入ったババぬきをやるようなものなので、絶対に手は出さないようにしてください。

毎年上場廃止になる企業はある

数こそそれほど多くはないですが、毎年倒産したり上場廃止基準に抵触し上場廃止となる企業はあります。

2015年でいうと、倒産が3件、上場廃止が7件ですね。
これらに当たりババを引くかどうかは普段のスタンスの問題です。

上述のようにリスクを好むのであれば、引く可能性は高まります。
同じリスクなら市場全体の急落局面で買い向かうほうがはるかに期待値は高いです。
「君子危うきに近寄らず」が一番ですね。

ちなみに自分がそういった銘柄を掴んだのは1回だけですがあります。まだ駆け出しの零細投資家だった頃の話です。

トレーダーとして独立してからはリスク管理を徹底したのでそういったことはありませんでしたが、その経験が大いに反省材料となったのは言うまでもありません。

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この記事を書いた人
horibey
horibey
デイトレード歴15年以上の元トレーダー。経済のファンダメンタル分析を得意とする。
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