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家電メーカーの株がダメな理由

家電メーカーの株がダメな理由

昨年、東芝の問題が世間をにぎわしていましたが、私からみると家電メーカーが軒並み不振の中で東芝だけが業績不安の声が聞こえてきませんでした。
むしろ、原子力発電等の重電、設備投資事業に力を入れているからかな、なんて思っていましたが、やはり粉飾決算ということが発覚しました。

日本の家電メーカーは大丈夫なのか?

結論からいえば、ダメでしょうというのが結論になります。
シャープなどは創業者がいったん、東京で失敗をして大阪に都落ちして会社を立て直しましたが今回はやはりダメでした。

パナソニックは松下幸之助の企業でもありますけど、事業部制や終身雇用の終結など着手しましたがやはり危機に陥りました。
そのほか、ソニー、日立、三洋電機等いろいろな家電メーカーが何度も何度も経営危機が叫ばれていますが、なぜ家電メーカーがダメなのでしょうか?

工業化の権化の家電

今では、もう世界では一般常識になりましたが、工業化が進んでいない国が工業化政策をとると爆発的な成長を遂げます。
安倍首相もよくいっていますが生産性の向上が進みますし、かつての日本や中国もどうしようもない貧乏国だったのが今や世界有数の富める国になっています。

この工業化というものを取り入れた国というのは残らず富める国になっている事実があります。産業革命のイギリスから始まりアメリカもそうです。みな工業化によって豊かになったのです。

この工業化という意味は何を意味するかといえば、人間が作る機会というのは作れば作るほど同じ品質で同じ規格の商品が安く作れるのです。
たとえば、テレビが日本では昔は三種の神器といわれたくらい重宝なものでしたが、今では1カ月の給料を全部はたかなくても余裕で買えるような時代です。

つまり家電に代表される日常私たちが普段触れている工業化された家電というのは値段が高くて手が出ないものであっても、結局は真似されてドンドン安くなっていくそれがまた価格競争を呼び込みまた安くなっての繰り返しに過ぎないのです。

ですから人件費が高い日本の工場で作るようなものではないのに、雇用を守るだの何だかんだと言っていますが、結局、経営の失敗に過ぎないのです。

時代を見通すのであれば家電メーカー脱却

結局、アメリカにGEというメーカーがありますが、今ではほとんど家電など作っておらず金融商品の設計、販売の方か有名になっています。
日本では、昔は日立というと家電のイメージですが、今、日立の製品を家電量販店で見ることがなくなってしまいました。
全く違う重電メーカーとして方向転換を経営危機の際に転換をしています。

つまり、家電にこだわってモノづくりを進める環境では日本国内ではもうすでにないということをわかっていないだけの話になります。
それなのに、シャープを国費で救済するとかたまげた話が出てきます。

この家電が儲からない時代に拍車をかけたのがIT

このITというのは我々の生活を驚くほど豊かにしてくれて、そして便利にしてくれます。
しかし家電メーカーにとっては安売り競争に拍車をかけているだけの話になります。

最近の日本家電メーカーの商品というのは余計な機能ばかりついてそれで値段が高いというイメージがみなさんにあると思いますが、そうしないと日本のメーカー名では勝負ができないだけの話です。
安売り競争をしても海外のメーカーには勝てるわけがないのです。

工業化とITは我々を豊かにしてくれる側面と、その反対の側面、日本で作る家電は今後もっと必要がなくなってくるということを理解している人が少ないように思います。
それでもあなたはまだ家電メーカーの株を買いますか?

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この記事を書いた人
takesan
takesan
金融機関に10年以上勤務したのち、現在は投資家への助言等を行う。
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